2010.02.25
vol.32 英国風フラワーアレンジメント2009(2)
5月も、『ようこそ・・・』でご覧頂いたアレンジメント。
バンブーとシュロの模様、グリーンと黒がシャープな印象の2種類の布から皆さんに選んで頂きました。
「vol.24 パリの旅2009」でご紹介した布です。
でもイギリス製(笑)。
布の周りは、本の中でもご説明した方法で、両面テープでワイヤーを付け、即席の「エッジワイヤー入りリボン」に。
テーマは、「オリエンタル」。シャクヤク、アジサイ、バラ、トルコキキョウ、手鞠草などのお花に加え、トクサを使うことでテーマを強調しています。
さらに・・・やはりパリで見つけたメタル製の蝶のガーランドを全体にあしらってみました。
この蝶も・・・本の中にも登場させたお気に入りです!
6月のレッスンには、本の撮影隊が入りました。
エッフェル塔のモチーフを使ったアレンジメントです。
壺の形をしたこの器・・・陶器のように見えますが、実はプラスチック製。
ピンクのほか、クリーム、パープル・・・色も形もかわいくて、大田市場の中の資材店で買い占めてしまいました!
本の中にも何度も登場していますでしょ?!
この月のテーマは、「Tower」「La Tour」。
「塔」のように円錐形にアレンジし、パリ買いの「エッフェル塔」のモチーフを添えて、テーマをリピートしています。
9種類のバラ、ライラックとゼラニウム、香りのするお花やグリーンに、ブラックベリー・・・お気に入りの組み合わせのこのアレンジメントを撮影して頂けてハッピーでした!
撮影と言えば、本の中で着用していた黄色にピンクのバラ模様のニット。
どちらのブランドですか?
というお問い合わせを数件頂きましたのでお答えしますと・・・
『アンナ・モリナーリ』のブルーマリンです。
ちなみに・・・軽井沢のアウトレットで40%オフで購入(笑)。
毎年7月は、季節柄お花の持ちが心配なのでアーティフィシャルフラワーを使ってレッスンしています。
この月のパリのモチーフは、キャンドルスタンド型のミラー。
フレームの周りにアートフラワーをあしらって、ミラーを貼り付けてアクセントに。
中央のシャンデリアのモチーフは、以前このコラムでご紹介したハニカムカレンダーをカラーコピーしたもの。
シャンデリア&キャンドルスタンドつながり・・・です。
実は、このデザインは、「怪我の功名」。
パリから持ち帰ったミラーの一部が割れてしまい、レッスンに使うには数が足りない!
と途方に暮れていたのですが・・・。
その割れたものを、写真のアレンジのように敢えて分けて付けてみました。
レッスンでは、皆さん、割るのを躊躇していらっしゃいましたが・・・。
9月のアレンジメントは、3度めの正直(?)で買えたお花の柄のボウルを使用したものです。
昨年3月、パリのランジス市場でまず発見!
レッスン用にといくつかをカートに載せたところ、あまりの重さに断念、泣く泣く棚に戻しました。
何せ直径が40cm以上、重さも相当なのです。
そして、6月に再び発見!この時は、花弘のパリツアーで、ナント!
グループに男性メンバーが4人いらしたので・・・彼らの腕(力?)をお借りして棚にあるだけ全部16個購入しました。
でも・・・これでは、レッスンには足りません!
9月にランジス市場に行った時に・・・また棚に並んでいるのが見えて・・・めでたく数が揃いました。
まさに、3度目の正直です!
それにしても、いつも資材を購入するお店は、行くたびに商品構成が変わっていて、必ず何かしらの発見があるのですが、言い換えれば、前にあったものは、次にもまたあることはあまりないのですけれど・・・。
こんなところにも不況の波が来ているのでしょうか?!
アレンジメントは夏の名残りの色をイメージして、テーマカラーを「イエロー」に。
プラスチックトレイにオアシスを入れて、ヒマワリ、ダリア、バラなどをアレンジしています。
このボウル・・・フルーツなどを載せても素敵だと思うのですが、手元に残らなくて残念!
さすがに次のパリでは無いでしょう・・・。
10月のテーマは、「Velours(ベロア)」。
鳥のオブジェになぜベロアかと申しますと・・・、木製のこのオブジェにプレスされた模様が、ベロアなのです。
そのベロアの色がダークブラウン、ショコラの色・・・。
何度か申し上げていますが、パリでは、ブラウンと他の色との組み合わせが本当にお洒落です。
リースフレームの中央にこのオブジェを置いて、バンダ、アランダ、バラ、カーネーションなどをアレンジ、もちろん、鳥のフェザーも入れてみました。
こちらも手元に1羽も残らなくて残念・・・と思っていましたら、
生徒のMさんが、「マルイのイン・ザ・ルームで見ましたよ。私も春に買いました!」と教えてくださって・・・早速問い合わせたところ、シーズンが終わり、埼玉にあるアウトレットに移動されていました。
取り寄せて頂き、20%引きで購入。
それでも、パリで買った卸値の5倍以上!
買い付けに行く人の人件費、渡航費、送料・・・などが経費に加わると・・・
この値段設定も仕方がないのですね。
11月は恒例のクリスマスリースレッスン。
毎年、お好きなオーナメントとリボンを選んで頂くレッスンで、この月だけは、皆さん「時差」(笑)もなく、レッスン開始時間にお集まりくださいます。
そして、お決まりの私のセリフ・・・「来年からは、毎月、資材をチョイスするレッスンにしましょうか?」
クリスマスリースは、お休みされる方や別にオーダーを頂いた方のために、毎回いくつか作るのですが、こちらは、ブルーとゴールドの組み合わせ。
オレゴンモミをたっぷりと使って今年は実付きのヒノキをアクセントにしています。
ベースはテーブルに飾るという方も多いので、オアシスを使用します。
イギリスでは、水苔をリースフレームに巻き付けてベースを作る方法を習いましたが、そもそもこれはオアシスが発明される前のかなり古い方法。
苔にたっぷりと水を含ませて、ワイヤリングした茎の先端が苔に触れるようにアレンジしていました。
これではお水は吸えないでしょ?と思い質問したら、「その通りよ!ですから、今はオアシスを使います。」とあっさり言われたことを思い出します。
リース作りは、オアシスを使う方法のほか、リースフレームに直接モミをあてて麻ひもなどで巻いて作る方法がありますが、ドア飾りとして戸外に飾る場合は、オアシスベースでなくてもかなり長持ちします。
何よりも軽いので下げやすいですね。
12月のテーマは、「スカンディナビアンクリスマス」。
パリで購入したこのグレーのフェルト製マットの形がグラフィックで、北欧のイメージであることからこのテーマにしました。
器は、思い切って「ブラック」に。
波打つ形が特徴的です。
私の大好きな食器、「アラビア」社の「ブラックパラティッシ」といい、『ようこそ・・・』の中で、北欧のクリスマスのコーディネートにスタイリストの曲田有子さんがご用意してくださった「ロイヤル コペンハーゲン」の「ブラックフルーテッドメガ」といい、モダンな印象に「ブラック」カラーは欠かせません。
でも、華やかさは加えたいので、「レッド」が挿し色となったアマリリス、ダリアを使いました。ここに真っ赤なお花では少々野暮ではないでしょうか?
この、ちょっとの赤が私のこだわりです。
さて、今年も、「パリで買い求めた資材を使った英国風フラワーアレンジメントレッスン」(長っ!)、素敵なパリグッズをたくさん使ってレッスンして参ります!
フラワーデザイナー
三代川純子
三井物産株式会社人事部勤務中に恵泉フラワースクールで学び、退職後、フラワーデザインを学ぶため渡英。
「コンスタンス・スプライ」「ジェーン・パッカー」などにてディプロマ(卒業証書)を取得した後、英国王室御用達フローリスト「エドワード・グッドイヤー」にて修業。
また、パリのフルリスト「パトリック・ディヴェール」「リリアンヌ・フランソワ」にても研修を行う。
フラワーデザイナーとして、雑誌「花時間」などで多くの作品を発表するかたわら、ホテルオークラ レディースサークル(現在、ホテルオークラ本館建て替えのため休会中)では、ヨーロッパで自ら買い付けて来た資材を使いレッスンを行っている。
また、「Hanahiroプリザーブドフラワー・アカデミー」の主任講師も務める。