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2010.10.08

vol.11 Herb Tinctures & Infused oil(2)


<インフューズッド・オイル>

インフューズッド・オイルは、植物油にハーブを浸し有効成分を抽出したもの。
この方法は、精油やカロチンなどの植物の有効成分の中の油に溶ける性質をもつ成分を
取り出すことができるという特長があります。

○カレンデュラ・オイル

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・ドライ・カレンデュラ...15g
・スゥイートアーモンド・オイル
 またはマカデミアナッツ・オイル...100ml
(オイルの酸化を防ぐために、植物油全量の10%を、小麦胚芽油にすることもある。)


ドライ・ハーブを植物油に浸け、日当りの良い場所に2週間から1か月ほど置き、浸け込んだハーブを取り出した後、さらにもう一度新しいハーブを浸け込み、2週間ほど置く。
(冷暗所で約3か月保存可能。)

カレンデュラは皮膚の炎症を和らげる作用があるので、
アトピー、切り傷、刺し傷、粘膜修復、痔、しもやけ、あかぎれ、ひびなどに。
コットンなどにつけて塗布する。


<ハーブ・ヴィネガー>

使用するアップルサイダー・ビネガーは、リンゴの果汁を発酵させた醸造酢。
穏やかな抗菌作用とデオドラント効果があります。

○ローズマリー・ヴィネガー

11-6.jpg・ドライ・ローズマリー...10g
・アップルサイダー・ヴィネガー...100ml

消毒したガラス瓶に、分量のドライ・ローズマリー入れ、そこにアップルサイダー・ヴィネガーを注ぎ入れ、密封して約10日間置く。
その後、コーヒーフィルターか清潔な竹製の茶濾しを使って漉し、保存用の瓶に入れて冷蔵庫保存する。
(保存期間は2、3か月程度)

抗菌作用のあるローズマリーと酢の作用で、
風邪の季節にはうがい薬(コップ一杯に5滴程度)になる。
足浴の時に垂らすと足の消臭、水虫防止などにも。

また、液体石鹸で洗髪した後に、リンスとしても使用できます。
(お湯をはった洗面器に、ローズマリー・ヴィネガー(大さじ2)を加えてよく混ぜ、髪を浸す。)



                   *


いかがでしたか?


材料となるドライハーブも、自分の庭やベランダで採取したものを使うと、
さらなる喜びが...。


ちょっとしたひと手間をかけて身の回りのものを材料から手作りしてみると、
あらためて自分の身体と自然との繋がりを感じる
貴重な時間になることでしょう。


ぜひ皆さまも、お試しになってみて下さい!

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プロフィール

加藤万里 -Mari-Kato-

フラワーデザイナー

加藤万里 -Mari-Kato-

カリフォルニア・バークレー在住、フラワーデザイナー。ハーバリスト。
1994年より、ロスアンジェルスで花教室FOLIAGEを主宰。
2004年秋より処点をバークレーに移し、06年、あらたに「お花会」という形でFOLIAGEを再開。その後、アロマクラス、ハーブクラスも増設。

フラワーアレンジ、アロマ、メディカルハーブ、ガーデニング、インテリア、手仕事など多方面から、花のある暮らしを提案すると共に、植物を通して、目に見えない大事なことを思い出していくための機会と場になることを願い、会を開催している。

また、昔ながらの暮しの知恵を取り入れ、現代風に楽しむことで、忙しい日々を送る現代人が忘れていることを取り戻していきたいと考え、スローライフを自ら実践し、提案している。

ロスアンジェルスの日本語情報誌「LIGHT HOUSE」にて、98年から02年まで「カリフォルニア花日記」「シンプルエコライフのすすめ」などの記事を連載。
09年春と秋にバークレーで、食とお花、食と手仕事をコラボさせたワークショップ付きの「カフェ・イベント」を開催。好評を博する。

著書に、ロスでの花生活を綴ったエッセイ『ガーデンダイアリー カリフォルニア 花と暮らす12か月』(講談社文庫 98年刊)がある。