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2014.07.25

vol.48 Homemade ウスターソース

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夏になると、作っておきたくなるもののひとつーーー
それは、ホームメードのウスターソースです。

子どもが小さかった頃、添加物や保存料のない調味料を求めていたところ
日本のようなソースで安心して頂けそうなものがなかなか見つけられず、
自分で作ろうと思い立ったのが始まりです。

ことことじっくり煮るスープなど、「ことこと料理」が大好きな私は、
この保存食や調味料を手作りすることもまた例にもれず。
なんと言っても、季節の食材の恵みを肌で感じ、
手作りをしている間はまるで無我の境地にいるかのように集中するのでとても楽しい。
そしてそれが、家族の健康や喜びにもなるーーー。
まさに、「暮らしの楽しみ」です。

せわしい日々の中では、手のかかる作業もなかなかその楽しさを享受できないので、
ゆったりした時間ができる夏休みの間に、今年もウスターソースを作成してみました。
スパイス類を加えると、なかなかエギゾチックな香りがキッチン中に漂い始め、
気分は魔女にーーー!

皆さんもこの夏は是非、購入するだけでは味わえない美味しさと手作りの充実感をお試し下さいね。


.。o○ ○o。. .。o○ ○o。.


【 材料 】

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A) トマト 3個         B) タイム 1〜2枝
  セロリ 1茎            セージ 1枝
  人参  1本            シナモンスティック 1本
  玉ねぎ 小1個          黒こしょう 小さじ1/2
  あればマンゴー 1/2個    アニス 1個
  昆布  適量           クローブ 4個
  しいたけ 2個        
  にんにく、しょうが 各1片   (他に、オールスパイス、カルダモン、クミンシードなどお好みで)
  ベイリーフ 2枚      

C) 黒砂糖 大さじ3〜4(好みで調整)
  天然塩 適量
  しょうゆ 1カップ
  黒酢  1/2〜2/3カップ(好みで調整/赤ワインビネガー、米酢でも代用可) 
  はちみつ 大さじ1〜(好みで調整)

☞ レシピ中の1カップは、200ml に相当する。
☞ レシピ中のスパイス類は、パウダーものを使用してもよい。


【 作り方 】

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1) 野菜を切る。
   セロリは筋をとり、マンゴーは皮をむき、トマト、人参、セロリ、マンゴー全てざく切り。
   玉ねぎ、にんにく、しょうがは粗みじん切り。
   出汁用の昆布、しいたけはそのままで。

2) Aの材料を厚手の鍋に入れ、水4カップを注いで強火にかける。
   沸騰したら火を弱め、アクをすくい、Bの材料を加える。
   この後ブレンダーにかける際にハーブ、スパイス類、しいたけ、昆布を除くが、
   あらかじめ、写真右上のようなティーボールストレーナーに入れておくと
   後が楽。(パウダーもののスパイス類を使用した場合は該当しない)

3) 弱火で時々アクをすくいながら、約1時間ほどことこと煮る。

4) 火からおろす。ここで材料を漉して液体のみのソースにしてもよいが、
   私はとろりとしたソースが好みなのと、かさが減って勿体ないので、
   具材もすべてブレンダーにかける。(ハーブやスパイス類、しいたけ、昆布は  除く)

5) Cの材料をさらに加え、20〜30分(もしくはそれ以上)弱火で煮る。
   (私は黒酢を最後の頃に加え、はちみつはさらに一番最後に加える。)
   味を見て、好みに整える。

6) 冷めたら煮沸消毒した瓶に入れて冷蔵保管する。3〜4か月ほど保存可能。
   作成して3、4日後経った方が、味が落ち着く。


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ウスターソースは、19世紀初頭にイギリスのウスターシャー州・ウスターの主婦が、
食材の余りを調味料と共に入れ保存したままにしたところ、ソースができており、
それがウスターソースの始まりとされているのだそう。(参考:Wikipedia)

そんな楽しい覚え書きを添えて、気心知れた方への夏のギフトにいかがでしょうか。

プロフィール

加藤万里 -Mari-Kato-

フラワーデザイナー

加藤万里 -Mari-Kato-

カリフォルニア・バークレー在住、フラワーデザイナー。ハーバリスト。
1994年より、ロスアンジェルスで花教室FOLIAGEを主宰。
2004年秋より処点をバークレーに移し、06年、あらたに「お花会」という形でFOLIAGEを再開。その後、アロマクラス、ハーブクラスも増設。

フラワーアレンジ、アロマ、メディカルハーブ、ガーデニング、インテリア、手仕事など多方面から、花のある暮らしを提案すると共に、植物を通して、目に見えない大事なことを思い出していくための機会と場になることを願い、会を開催している。

また、昔ながらの暮しの知恵を取り入れ、現代風に楽しむことで、忙しい日々を送る現代人が忘れていることを取り戻していきたいと考え、スローライフを自ら実践し、提案している。

ロスアンジェルスの日本語情報誌「LIGHT HOUSE」にて、98年から02年まで「カリフォルニア花日記」「シンプルエコライフのすすめ」などの記事を連載。
09年春と秋にバークレーで、食とお花、食と手仕事をコラボさせたワークショップ付きの「カフェ・イベント」を開催。好評を博する。

著書に、ロスでの花生活を綴ったエッセイ『ガーデンダイアリー カリフォルニア 花と暮らす12か月』(講談社文庫 98年刊)がある。