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2013.06.12

vol.39 夏用ジェルを手作り。

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夏になると、
皮膚に塗布するクリームやオイルなどのアロマクラフトは
ちょっとベタベタして快適さがなくなります。

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今日ご紹介するジェルは、
冷蔵庫で冷やして肌に塗布すると
ひんやりしてとてもいい気持ち。

内容成分もシンプルで安全なものばかり。
しかもささっと作れてしまうので、
本格的な夏が来る前に
お子さんとご一緒に虫除けジェルなど作るのは
いかがでしょうか。

最後にとろみをつけて固めるために瓶をふったりするので、
きっと楽しい作業になるのではないかと思います。


今日は夏ならではの、
冷涼クールダウン・ジェル(おまけに筋肉痛などのクールダウン・ジェルも)、
虫除けジェルと虫さされケアのジェル、日焼け後のケア用ジェル、
そして夏風邪で咳が出たり、気管支を煩った際に
胸元に塗るとスッキリするジェルをご紹介したいと思います。


.。o○ ○o。. .。o○ ○o。.

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左上から時計回りに、レモンバーム・ティクンチャー、植物性グリセリン、フローラルウォーター、
精油、ビーカー、キサンタンガム、保存容器。


【 材料 】

 ・30 ml 保存容器


 ・水性基材(精製水やフローラルウォーターなど):25 ml
  (キサンタンガムと混ざりやすくするため、水性基材は常温にしておく。

   ☞ フローラルウォーターは、作成するジェルの効能に合わせ、選ぶ。


 ・植物性グリセリン:小さじ 1/2
  (さっぱりしたテクスチャーにしたければ、アルコールかティンクチャーを混ぜる。)

   ☞ グリセリン:脂肪や油脂から採取される無色透明の液体。
     保湿効果があり、化粧水やクリームを作る時に使用する。

   ☞ 作成するジェルに合わせ、ティンクチャーも効能を組み合わせる。
     この記事の最後に、ハーブ・ティンクチャーの効能を記載してあるので、
     ご参考のほど。
    

 ・キサンタンガム:ミクロスパーテル(耳かきで代用可能)中盛りで7杯くらい

   ☞ キサンタンガム:とうもろこし、キャベツなど、でんぷんの糖質を微生物が
     分解発酵し作られた多糖類を精製して、粉末にした水溶性の天然増粘剤。
     アロマショップなどで入手できる。


 ・精油:3滴以内(効能を考慮して、ブレンドしても良い)

   ☞ 効能は、下記参照。


 ..........................................................................................
 

  ● クールダウン、肩こり、筋肉痛に効果が期待できる精油


   ☞ 冷涼効果には、ペパーミント。
   ☞ 筋肉痛、肩こり、運動後のクールダウンには、クラリセージ、サイプレス、ジュニパー、
        マジョラム、ペパーミント、レモングラス、ラヴェンダー、ローズマリーなど


   ● 虫除け、虫さされに効果が期待できる精油

   ☞ 虫よけ/シトロネラ、ゼラニウム、レモンユーカリ(ユーカリ・シトリオドラ)、
        ラヴェンダー
   ☞ 虫さされ/ティートリー、ラヴェンダー、ゼラニウム、痒みのある時はペパーミント

   ● 日焼け後のケアに効果が期待できる精油

    ラヴェンダー、ティートリー、ローマンカモミール

   ● 気管支炎、風邪に効果の期待できる精油

    サイプレス、ティートリー、ニアウリ、マートル、ユーカリ、ラベンサラ、ローズマリー

 ..........................................................................................


【 作り方 】

 1)保存容器に、分量のグリセリンと精油を入れ、キサンタンガムも加えて
   ガラス棒や木製の小さなヘラでよく混ぜる。 
   さっぱりタイプにしたかったり、ティンクチャーを利用したい場合は、
   ここでグリセリンの分量内に、ティンクチャーを混ぜ込む。
   (もしここで水分が足りなくて混ぜにくかったら、2)の水性基材を少し入れて混ぜても良い)

 2)分量の水性基材(フローラルウォーターや精製水)を少しずつ入れては
   ガラス棒や木ベラでよく混ぜる。

 3)だまになりやすいが、時間を置いてまた混ぜたりと根気よく混ぜ合わせていくと、
   次第に馴染んでいく。
   瓶の蓋をしっかり締め(漏れそうなものは、小さなタオルで瓶ごと包んで)、高速で
   瓶を振って混ぜ合わせても良い。好みのとろみになったら出来上り。
   冷蔵保存で、3週間以内に使い切ること。

   それ以上(半年ほど)の保存をしたい場合は、
   ローズマリーオイルエキストラなどのハーブエキストラを天然保存材として
   全体の0.15〜0.5%ほど加える。
   グレープフルーツシードエキストラはジェルが分離するため、キサンタンガムを使用する際には不可。


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.。o○ ○o。. .。o○ ○o。.


【 ジェルにティンクチャーを使う際のご提案】

上記のジェルを作る際、
グリセリンの分量内にティンクチャーを混ぜることで、夏向きのさっぱりした出来上りが期待できます。

また普通のアルコールを使用するよりも、ハーブそれぞれの効能が浸出されているので
効能も期待できますね。

今回は、代表的なハーブ・ティンクチャーの中でも、肌と風邪に効果の期待できるものを
ご紹介致します。
作り方は、このブログのvol.11「Herb Tinctures & Infused oil」をご覧ください。


また、ちょうどシーズンでもありますので
フレッシュハーブで作る(通常はドライハーブで作ります)
虫除けなどに効くレモン・バームの作り方とご説明を、一番最後に特筆しておきますね。


  ..........................................................................................................


 *ローズマリー・ティンクチャー
   殺菌、抗酸化作用あり。頭痛、リウマチ、風邪などにも。


 *ラヴェンダー・ティンクチャー
   頭痛、風邪、気管支炎、耳の炎症などに。抗菌、殺菌作用も。


 *ローズ・ティンクチャー   
   収れん、抗菌、抗炎症、抗ウイルス。


 *カモミール・ティンクチャー  
   皮膚炎、傷、にきびなどに。風邪の初期症状にも。


 *タイム・ティンクチャー

   抗菌、去痰、鎮咳、気管支鎮痙作用あり。


 *ペパーミント・ティンクチャー

   冷却作用、抗菌、消炎効果、風邪の初期症状、咳に。


 *レモンバーム・ティンクチャー
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レモンのような香りを楽しめる
ハーブティーとして有名なレモンバーム、
実は、生葉は虫さされや傷に直接貼ると
良かったり、ティーにすると気管支炎や
風邪にも効果が期待できます。

今回はウォッカに漬けて、
ティンクチャーにしてみました。


一般的に、ティンクチャーはドライハーブで
作るのですが、乾燥したレモンバームの葉は、
香りと薬効が薄れるそうなので、
今、旬で葉を茂らせている生葉を利用します。

このティンクチャーの効能を生かし、
虫さされジェルや気管支、風邪用ジェルの
基材として使用するのはいかがでしょうか。



フレッシュハーブを使用した際には、ドライのものより水分が多いので、
腐敗を防ぐため、できればアルコール度数45%のウォッカを使用し、
ハーブとウォッカ1:2 の割合で消毒したガラス容器に入れ、
2、3週間したら漉して消毒した遮光瓶にて保管します。

ドライハーブで作ったティンクチャーの保存期間1年より、
早めに使い切ることをお勧めします。

プロフィール

加藤万里 -Mari-Kato-

フラワーデザイナー

加藤万里 -Mari-Kato-

カリフォルニア・バークレー在住、フラワーデザイナー。ハーバリスト。
1994年より、ロスアンジェルスで花教室FOLIAGEを主宰。
2004年秋より処点をバークレーに移し、06年、あらたに「お花会」という形でFOLIAGEを再開。その後、アロマクラス、ハーブクラスも増設。

フラワーアレンジ、アロマ、メディカルハーブ、ガーデニング、インテリア、手仕事など多方面から、花のある暮らしを提案すると共に、植物を通して、目に見えない大事なことを思い出していくための機会と場になることを願い、会を開催している。

また、昔ながらの暮しの知恵を取り入れ、現代風に楽しむことで、忙しい日々を送る現代人が忘れていることを取り戻していきたいと考え、スローライフを自ら実践し、提案している。

ロスアンジェルスの日本語情報誌「LIGHT HOUSE」にて、98年から02年まで「カリフォルニア花日記」「シンプルエコライフのすすめ」などの記事を連載。
09年春と秋にバークレーで、食とお花、食と手仕事をコラボさせたワークショップ付きの「カフェ・イベント」を開催。好評を博する。

著書に、ロスでの花生活を綴ったエッセイ『ガーデンダイアリー カリフォルニア 花と暮らす12か月』(講談社文庫 98年刊)がある。