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2014.05.22

vol.46 ドライハーブの作り方。

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我が家の庭のハーブもぐんぐんと日々成長し、いよいよ今年一番の全盛期を迎えようとしています。
まるでハーブたちが「収穫して!」と迫ってくるような勢いです。

ドライハーブを作るには、葉や花が充実し、エネルギーが高まったこの季節が最も適しています。
今回は、庭の恵みを収穫し、暮らしに生かすための、ハーブの乾燥法をご紹介しましょう。


【 収穫するのにベストな時期 】

ハーブの効能を期待し収穫する場合は、ハーブのエネルギーが一番高まっている時がベストです。
(装飾としてのドライハーブを作る場合は該当致しません。)

私たちが通常の暮らしで利用する殆どのハーブは、葉に有効成分が含まれているものが多いので、
葉が充実してきた、花が咲く一歩手前が一番良いと言われています。
(花が咲いてしまうと、そちらにエネルギーが移行し、葉は固くなったり小さくなったりします。)
花を利用するハーブは、もちろん開花してから全盛期を過ぎないうちに収穫します。

さらに時間帯としては、晴れた日の午前中、遅くとも10時前に収穫しましょう。日が高くなるにつれ、
ハーブ内の精油分はどんどん揮発していきますので、メディカル要素を期待して収穫したい場合は、
できればベストな時間帯に収穫して保存したいと思います。



【 乾燥方法 】

ハーブの株が小さいものは一気に収穫すると株が弱るのでほどほどに、
大株に育ったものは剪定も兼ねて収穫します。

摘んだハーブはさっと水洗いしてキッチンタオルなどで優しく拭きます。
ここで水分が残ったまま乾燥すると、ミントなどものによっては黒ずんだ
ドライハーブに仕上がるものもあるので、注意しましょう。

葉っぱものは小束にまとめ、輪ゴムで留めてから紐で結んで
ドライハンガーなどに下げて風通しの良い直射日光の当たらない場所で
乾燥させます。
束ねたハーブは日数と共に段々縮んでいきますので、
輪ゴムで先に留めておくと、紐から落下するのを防ぐことができます。
また、日本は梅雨の時期など湿気を懸念しなければいけないと思いますので、
一束の本数を少なくすると乾燥もより早く、カビも生えにくいと思います。

(セージ、ミント類、レモンバーベナ、オレガノ、セボリーなど該当。ローズマリーは、下記のようにざるなどに広げて乾燥しています)

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花の部分のみを乾燥させたい場合は、
ひとつひとつ摘んだ花を、ざるやネットなどに
重ならないように広げ、乾燥させます。

一般的にドライの「花もの」は葉っぱものより
小さいので、それなりの量を集めるには
それ相応の花数が必要となります。

ドライものを作る目的をもってハーブを植える
場合、「花もの」は2株以上植え付けると
それなりの収穫があります。

(カモミール、センテッド・ゼラニウムの花、チャイブの花、矢車菊、カレンデュラ、マロウなど該当。
ラヴェンダーは、種類と使用目的によって、上記のように吊り下げて乾燥することもあります)


☞ 写真上:上段はストロベリー・センテッドゼラニウムの花(センテッド・ゼラニウムの中でも、
      この種類は花の色味が褪せないのでお勧めです。)下段はイングリッシュ・ラベンダー。

  写真下:カモミールの花(白い花びらが反り返る前に収穫するのがベストです。)




【 利用方法 】

乾燥したドライハーブは、ガラスの保存瓶での保存がお勧めです。
必ず、しっかり乾燥してから保存しましょう。

さて、ドライになったハーブの利用方法は色々あります。

まずは装飾的な使用例として、私は主宰するお花の会で、
ドライハーブをドライフラワーや木の実などと一緒に
リース作りなどのクラフトに利用することが多いです。
その他、ハーブの小さな束を贈り物に添えたり、
ポプリの作成時に使用します。

市販のドライものを使いながらも、自分で育て作ったドライハーブを
取り入れることで、より愛着が湧いたり、嬉しさが倍増するので、
私は時々生徒さんご自身に、自分で育てたドライハーブや
拾った木の実を持ち寄ることを提案することもあります。

また、花材は「買う」だけでなく、自分で作れるのだという喜びを味わうことは、
今の時代、とても大切なことだと思っています。


一般的な利用方法はやはり、お料理使いでしょうか。
市販のドライハーブも便利ですが、やはり自分の庭やベランダから採れた
ハーブのドライを料理に使用する喜びと充実感は何ものにも代え難いですね。
ドライハーブは半永久的に保管はできるものの、味のみならず効能を考慮する場合、
賞味期限は一年をめどにした方が良いそうです。
そういった意味でも、自宅で作ったハーブは鮮度も分かっているので、より有効です。


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そして私が今一番利用しているのは、メディカル方面
での利用です。
自宅で家族が使用する緑の薬箱として、各種ティンク
チャーやインフューズド・オイル、ハーブティーを作る
ために、大いに利用します。

主宰するアロマクラスでも、バスサシェ(写真右)の材料
として、またバスソルトの彩りやバスフィズの飾りなどに、
皆さんと利用して楽しみます。
バスフィズ作成時には、生徒さんのアイデアで、フィズ
の中に上記写真のピンクのセンテッド・ゼラニウムの
花を詰めて、フィズが溶けた時に一気に中から飛び
出す仕掛けをされた方もいらっしゃいました。

自分で育てたハーブや花が、こんな風にいろんな方の
素敵なアイデアで楽しんで頂けることは、至福の喜びです。
こちらも、メディカルな効果を期待したい場合は、一年
以内の使用をお勧めします。



 ☞ ティンクチャー、インフューズド・オイル作り方
 ☞ バスサシェ、バスソルト作り方
 ☞ Eye compress pads (目の湿布用ハーブパッド)作り方


種をまいて、育て、収穫して、自分の暮らしに役立てるーーー。

この一連の流れを経験し、楽しみ、満喫することこそが、暮らしの醍醐味と言えるでしょう。
皆さんの暮らしにも是非、取り入れてみて下さいね。


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プロフィール

加藤万里 -Mari-Kato-

フラワーデザイナー

加藤万里 -Mari-Kato-

カリフォルニア・バークレー在住、フラワーデザイナー。ハーバリスト。
1994年より、ロスアンジェルスで花教室FOLIAGEを主宰。
2004年秋より処点をバークレーに移し、06年、あらたに「お花会」という形でFOLIAGEを再開。その後、アロマクラス、ハーブクラスも増設。

フラワーアレンジ、アロマ、メディカルハーブ、ガーデニング、インテリア、手仕事など多方面から、花のある暮らしを提案すると共に、植物を通して、目に見えない大事なことを思い出していくための機会と場になることを願い、会を開催している。

また、昔ながらの暮しの知恵を取り入れ、現代風に楽しむことで、忙しい日々を送る現代人が忘れていることを取り戻していきたいと考え、スローライフを自ら実践し、提案している。

ロスアンジェルスの日本語情報誌「LIGHT HOUSE」にて、98年から02年まで「カリフォルニア花日記」「シンプルエコライフのすすめ」などの記事を連載。
09年春と秋にバークレーで、食とお花、食と手仕事をコラボさせたワークショップ付きの「カフェ・イベント」を開催。好評を博する。

著書に、ロスでの花生活を綴ったエッセイ『ガーデンダイアリー カリフォルニア 花と暮らす12か月』(講談社文庫 98年刊)がある。