クリムトとウィーン
◆内容紹介
有名画家ならびに当時のアートシーンを豊富な図版と分かり易い解説で紹介するシリーズ。
気軽にアートに触れ、1枚の絵に込められたメッセージを読み解くためのアート入門書です。
19世紀末、ハプスブルクの帝国が最後の花を咲かせようとしていた帝都ウィーン。
退廃への耽美を求める風潮が席巻する中、登場したグスターフ・クリムト。
貴族社会の恩寵を受け、やがてそれに反逆する才能豊かな男。新しい芸術の展開を求めて「ウィーン・ゼツエッション(分離派)」を設立し、初代会長に就任、あらゆる芸術統合の夢を実現すべく行動していった-
本書は、東急文化村プロデューサーのほか、日本美術界で重要な役割を担う木島俊介が、豪華な装飾性と蠱惑的でデカダンなクリムトの作品を多くの図版を中心に紹介しながら、世紀末ウィーンで繰り広げられた芸術家たちの交遊をも捉え、当時のアートシーンをヴィヴィッドにお伝えする一冊となっています。
【図書館選定図書】
目次
第1章 世紀末ウィーン
第2章 クリムトとアカデミズム
第3章 ロマンティシズムとクリムト
第4章 分離派
第5章 ベートーヴェン・フリーズ
第6章 ストックレー邸と生命の木
第7章 黄金様式と女たち
第8章 素描
第9章 クリムトと表現主義
第10章 風景画
コラム
●ハンス・マカルトと旧世代の芸術
●ウィーン工房とストックレー邸
●<アデーレ・ブロッホ=バウアーⅠ>の肖像がめぐった数奇な運命
●エゴン・シーレとオスカー・ココシュカ
◆著者=木島俊介(キジマ シュンスケ)
1939年鳥取県生まれ。
慶応大学文学部卒業。現在、共立女子大学文学部教授、群馬県立近代美術館館長、群馬県立館林美術館館長、東急文化村プロデューサー。
1970年創立の万国博美術館(現・国立国際美術館の前身)をプロデュースして以来、数多くの美術館設立と美術展の企画開催、カタログの制作執筆に携わる。
著書・翻訳書多数。