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2011.09.23

vol.22 びわの葉を活用する。

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我が家の家庭の常備薬で、なくてはならないもののひとつに、
びわの葉エキスがあります。

びわは、その昔、お寺の境内に植えられ、
僧侶がびわの葉を使った手当をして
人々の病を治してきたと言われていますが、

それに納得できるほど 実にさまざまな症状に効果があり、
このエキスがあるだけで 殆どの怪我や不調が改善してしまうので、
万能薬として、もう手放せません。


私も、こちらアメリカの loquat tree(びわの木)の恩恵に預かり
自分でエキスを作り始めてもう10年以上になりますが、
自分や家族の怪我、捻挫、痛み、皮膚のさまざまなトラブルにとても重宝しています。

印象的だったのは、以前火傷をした際に
手元にあったラヴェンダー精油でも効果が得られず、
このびわの葉エキスの中に2、3時間、患部を浸らせていましたら
跡形もなく すっかり治ってしまったことがありました。

びわの葉の力を実感した出来事でした。

このように、
すっかりびわの葉エキスが 緑の薬箱必須アイテムになっている我が家では、
家庭内だけでなく、旅行の際にも
小さな小瓶に入れて持参しないと心配になる位です。(笑)


このびわの葉エキスを
友人に薦めたり、主宰するお花の会などででも
参加者の皆様にご紹介したりしてきましたが、
皆さんも自宅で試された後、その効果にとても驚かれます。


昨年の記事Vol.11
家庭で作れるさまざまなハーブのティンクチャー(チンキ剤)を
ご紹介させて頂きましたが、
そこに是非ともびわの葉エキスを加えて頂けたらーーーと思います。

びわの生葉自体は夏で1か月、冬でも2、3か月しかもちませんが、
エキスにすれば半永久的に保管できるのが嬉しいところ。


作り方も実に簡単なので、
今日はその作り方をご紹介致しますね。


             .。o○ ○o。. .。o○ ○o。.

<びわの葉エキス>

【材料】

 ・びわの葉
 ・アルコール(焼酎、ウォッカなどホワイトリカー/35度以上が良い)
 ・保存容器(瓶)


【作り方】

 葉っぱを乾燥させたものを使用したり、葉っぱの裏の毛を丁寧に除いたりする
 作り方もありますが、今回は一番簡単で手軽な方法をご紹介します。
 葉っぱが持つそのままのエネルギーを アルコールに溶け出させて頂くイメージで、
 感謝しながら作ってみましょう。

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 1)びわの葉を洗って汚れをとり、フキンなどで水気をしっかり拭き取る。

 2)瓶の容量の 1/3 〜 2/3量の葉っぱを適当に刻む。(刻むことで成分が出やすくなる)

 3)瓶に刻んだ葉っぱを入れ、アルコールを注ぐ。

 4)3か月ほどするとアルコールにびわの葉のエキスが溶け込み、琥珀色になってくる。
   それ以降、エキスとして使用できる。
   半年〜一年ほどしたら中の葉っぱは取り出し、お風呂などに使用する。
   冷暗所にて保存する。


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 (左)アルコールはなるべく瓶一杯に注ぐ。アルコールから葉っぱが飛び出さないように保存する。
 (右)時間が経つほど、エキスの色は次第に濃くなって。


【活用法】

 びわの葉エキスはそのまま使用できる。湿布する時は2、3倍の水に薄めて使う。
 胃腸の不調などで飲む場合は、5、6倍に薄めて少量から(蜂蜜など入れても)。
 乳幼児、敏感症の方は量を少なめにして試すと良い。

 ・傷、火傷、打撲、虫さされ、かゆみ、水虫に
 ・アトピー、湿疹に
 ・歯槽膿漏、口内炎、歯痛、のどの痛みに(うがいにも)
 ・腰痛、肩こり、ねんざに
 ・胃腸のもたれ、疲れなどに(5、6倍に薄めて少量飲む)


            .。o○ ○o。. .。o○ ○o。.


その他、エキスを作るに至らず、
びわの葉っぱを煎じるだけで使用できる 手軽な方法もあります。

DSC_0036-92311.jpg<びわ葉煎じ液>

 洗ったびわの葉っぱを適当に刻み、とろ火で
 煎じる。

 あくをとって漉した後、
 この煎じ液を飲むと、
 気管支炎やぜんそく、風邪のひき始め、 
 内臓その他痛みに効果が。
 (乾燥葉は成分凝縮しているので
 少なめに)
 
 肌に化粧水がわりにも使用できる。
 又、温め直して皮膚疾患のある部位に
 つける
と改善される。


 又、この煮詰め汁と葉っぱをお風呂に入れて
 入浴すると、冷え性やアトピーなど皮膚疾患に効果が。

 びわ葉には雑菌、化膿菌など殺す力があるので、そのお湯を何度湧かしても臭くなら
 ず、むしろお湯も柔らかくなっていく。


 びわの葉には、さまざまな病気の予防に役立つと言われる血液浄化、抗がん作用、
 鎮痛、殺菌作用のあるアミグダリンという成分があるが、

 これが温められると浸透して、細胞まで入り、炎症や癌細胞も殺してしまう力が
 あると言われている。


            .。o○ ○o。. .。o○ ○o。.


いかがでしたか?

びわの葉の持つ素晴らしい力を信頼し、感謝しながら
どうぞ皆様の暮らしに役立ててみて下さいね。


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【参考文献】『家庭でできる 自然療法』/東城百合子著

プロフィール

加藤万里 -Mari-Kato-

フラワーデザイナー

加藤万里 -Mari-Kato-

カリフォルニア・バークレー在住、フラワーデザイナー。ハーバリスト。
1994年より、ロスアンジェルスで花教室FOLIAGEを主宰。
2004年秋より処点をバークレーに移し、06年、あらたに「お花会」という形でFOLIAGEを再開。その後、アロマクラス、ハーブクラスも増設。

フラワーアレンジ、アロマ、メディカルハーブ、ガーデニング、インテリア、手仕事など多方面から、花のある暮らしを提案すると共に、植物を通して、目に見えない大事なことを思い出していくための機会と場になることを願い、会を開催している。

また、昔ながらの暮しの知恵を取り入れ、現代風に楽しむことで、忙しい日々を送る現代人が忘れていることを取り戻していきたいと考え、スローライフを自ら実践し、提案している。

ロスアンジェルスの日本語情報誌「LIGHT HOUSE」にて、98年から02年まで「カリフォルニア花日記」「シンプルエコライフのすすめ」などの記事を連載。
09年春と秋にバークレーで、食とお花、食と手仕事をコラボさせたワークショップ付きの「カフェ・イベント」を開催。好評を博する。

著書に、ロスでの花生活を綴ったエッセイ『ガーデンダイアリー カリフォルニア 花と暮らす12か月』(講談社文庫 98年刊)がある。