ある日の村野藤吾 建築家の日記と知人への手紙
◆内容紹介
一生涯、建築家。初公開の直筆原稿で明らかになる、村野藤吾の実像。
九十三歳で亡くなるその日まで、生涯現役を貫き通した建築家・村野藤吾(1891-1984)は、戦前から戦後までの激動期にモダニズム建築の礎を築き、日本生命日比谷ビル・日生劇場をはじめ日本の近代建築史に数々の傑作を残しました。
“建築を考え、設計すること”に全ての時間を費やし、建築に関わること以外は多くを語ろうとしなかった村野は、実作品を通してのみ自己の建築思想を実証し、芸術性を磨いてきました。
それゆえ、村野のより内面的な思考や感情にまで踏み込んだ記録はこれまで殆どありませんでした。
そこで本書では、このたび家族からの提供によって初公開となる直筆原稿をもとに、村野藤吾が海外旅行で書き綴った旅行記と、親しい知人との間でかわされた手紙の内容をもとに、「寡黙な建築家・村野藤吾」の知られざる内的世界を浮き彫りにし、これまでなかった視点で歴史的建築家の実像に迫ります。
村野敦子=編・写真
村野敦子 ムラノアツコ 写真家
兵庫県宝塚市生まれ。村野藤吾の長男(漾)の三女。聖心女子大学文学部卒業。三井物産勤務後、アメリカに留学。Art Institute of Seattle, Commercial Photography 科卒業。現在、LightWorks Studio 主宰。コマーシャル写真撮影・取材を中心に活動。本書の写真はすべて本人の撮り下ろし。