2010.06.23
千夜一夜後の自分のために綴るコラージュ
梅雨の晴れ間の午後、
東京駅の八重洲口から
中央通りに向かってのんびり歩き、
手芸家の小倉ゆき子さんの
「私のアラビアンナイト展」に伺ってみました。
『刺しゅう生活、はじめます』を撮影していた昨年、
一休みにとお菓子をいただいていたとき、
「今日のアラビアンナイトにはこれを入れるわ」
とおっしゃっているのをお聞きして、
どんなことをされているのか
よくわからなかったのですが、
今日謎が解けました。
その日あったことを、
日記の代わりに毎夜コラージュされていたのです。
その材料には、作品に使った手芸用品ばかりでなく、
その日見た観劇のチケットや
訪れたお店のカード、いただいたお菓子の包み紙まで。
ファイルに入る大きさと決めて、
寝る前の10分か15分で、
その日の出来事を記録するように、
コラージュし、千夜一夜しては作品展を開かれて、
今回は三回目になるそうです。
「つくっているときは、
日常あるものなので気がつきませんが、
こうして、まとまったあと見返してみると、
思い出が蘇ってきます。
今はもうないデザインのカードや
包装紙を発見することもあり、感慨深いものです。」
と小倉ゆき子さん。
写真も文章もPCやiPhoneの中に
収まってしまう便利なこの頃ですが、
現物が放つパワーというものは、
人の心に与える力が違うのではないでしょうか。
いろいろなことを改めて考えた作品展でした。
6月26日まで京橋の千疋屋ギャラリーで
開催されています(詳細は6月14日のブログをご覧ください)ので、
ぜひご覧ください。
編集部M.M.